東京湾アクアライン 走行空間 / tunnel approach way design / 日本道路公団
川崎ー木更津間を走る全長15キロの高速道路、アクアラインは10キロの海底トンネルと5キロの海上の橋から成り、その2つは東京湾上で人工の島によってつながっている。人工島、浮島アプローチは東京側の出入口となる。
灰色のコンビナート群を貫き、真っ直ぐ海へ向かう高架のハイウェイは緩やかに高度を下げちょうど路面の高さが地面レベルに重なったところから、道は地を二つに割り、海深く延びる滑走路に姿を変える。
車は快い速度で海への滑走路に進入する。それに呼応して左右に現れた壁は次第に高さを増し、水平に異なる色と質感が幾重にもかさなる地層を形作っている。その景色は地面から海面そして海底へと車が高度レベルを下げて離陸の体勢に入ったことを実感させる。時間空間を超える旅の出発を迎え入れるのは、大きくカーブを描いてせり出した銀色に光るゲートだ(計画案)。空をシャープに切り取る大胆な造形は、オーガニックな表情の擁壁との対比で、ここから始まる先端テクノロジー空間を象徴している。ドライバーはそれらの祝福を受け、タイムトンネルへと加速する。
photo : Naoya Hatakeyama