上越自動車道 / Mile Trees / landscape design / 日本道路公団
上信越自動車道全通へ至る最終区間にあたる、中郷ICから終点上越JCTまでの新しく開通するクライマックスとなる20kmについて、群馬、長野の山から新潟の海まで(海から山まで)の連続性に統一的なイメージを与えるためのシンボルツリー植裁デザインである。
約5km毎に、メタセコイヤを列植し、海まで(から)の距離感をシンボリックに 表現する。現代版一里塚とも言える。
メタセコイヤは、妙高などの山々に近い中郷IC付近で5本列植し、日本海へ向かって進むに従って一本づつ減らし、上越JCTで1本にする。一定区間で繰り返し現れるメタセコイヤと、その本数の変化によって、山と海とをつなぐ豊かな自然の景色の移り変わりの区間をより効果的に演出する。メタセコイヤの下は黒い縁石で縁取られた白砂利とし、よりシンボル性を高める。
豊かな自然の中を横断する、待ち望まれた高速道路の開通にふさわしいものとして、これまでのありがちな存在感の強すぎるような構造物や調和を乱す人工的なものによる様なデザインではなく、植裁や石、砂利など自然の要素を用いた新しい景観デザインとして考えられている。周囲の豊かな自然と連続しながら、互いに活かし合い対比的にも感じられる、自然と人工の間のコミュニケーションを図るデザインはこれからの新しい景観デザインとして捉えられる。

上信越自動車道 景観デザインプロジェクトではシンボルツリー植裁デザイン以外にも、妙高山等周囲の景色をより効果的に満喫できるサービスエリアの見晴らし台、全線開通を記念した全通記念碑のデザインを行った。