沖縄那覇港ドロスヤードプロジェクト / fence design / 内閣府 沖縄総合事務局 那覇港湾・空港整備事務局
那覇港の港湾資材置き場(ドロス(消波ブロック)ヤード)のフェンスのデザイン。隣接する敷地に新しく「国立劇場おきなわ」が完成したことで、今後多くの人が訪れることが予想された。そこで、立入防止柵としての機能に、ドロスを直接見せない目隠し、さらに港湾のイメージアップを図ることを目的としてデザインされた。

港湾地区の広々としたスケール感と、敷地内に置かれるドロス(高さが5mもある巨大なコンクリート構造物)の景観と呼応するように、延長150mに並べたパンチングメタルに連続的に大きなグラフィックデザインを印刷した。パンチングメタルは正面から日光が当たると印刷されたグラフィックを鮮やかに見せ、背面からあたると背景が透けて見える。この敷地では午前中から午後にかけてグラフィックが浮き出て見え、午後遅くから夕方にかけては徐々に薄くなって背景がはっきりと見えてくる。この視覚的特性を活かして、訪れる度に見え方の異なる、周辺環境となじむデザインを目指した。
グラフィックはこのデザインのために実際に沖縄で撮影した写真をイラストに加工し、より鮮やかで強い印象をもつものが制作された。緩やかにRを描くパンチングメタルのうち、一度に認識できる約40mをひとつのまとまりとして、それぞれ「みなと」「ひと」「伝統文化」「郷土料理」をテーマとしてデザインした。
普段関わることの少なかった港湾施設と市民を結びつけるインターフェイスとしてのフェンスである。
2005年度グッドデザイン賞受賞。
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photo: Makoto Okuguchi