小鳥トンネルシークエンスデザイン / sequence design / 国土交通省 高山国道事務所
‖コンセプト‖

小鳥トンネルは制限速度の70kmで走行した場合、通過に約224秒(3分44秒)を要する。その時間軸の流れのなかでトンネル内部環境が外部環境と連続しながら「起・承・転・結」の流れで緩やかなストーリー性をもって変化するようにデザインされている。また、内部と外部をつなぐ中間ゾーンにギャップを緩和する緩衝域を設定しトンネル出入口部における強い違和感の軽減を図る。トンネル内のデザインの変化によって単調さからくる意識低下を防ぐだけでなく高山方向への期待感を高めたり、反対方向の白川郷や名古屋へは、次の展開への序章の役割を果たしたり、「道」本来の意味合いの復権を図ている。現状のトンネル走行が暗いイメージで塗りつぶされ、緊張と忍耐によって止まった時間を過ごすがごとくであるのに対して、より生き生きと知覚できる、感じることができる。

‖内装タイルによる空間的広がりを感じさせるパターン配列‖

狭いトンネル空間の閉塞感を少しでも緩和させるため、パターンの見え方(配列や強度)を操作することで、空間の広がりを感じさせるようにする。外部環境一般においては路面だけでなく地平線やスカイラインで区切られる開放的な空と拡がりある地面という不変の空間構造が全てのドライバーに安定した空間認知のための情報を提供している。それを路面と壁面のみが手がかりとなるトンネル内の空間に引用する方策を考えた。遠近法の見え方の応用で、路面に近い下方はパターンを長めに、上方を短めに配列することで壁面に対する知覚に奥行き=立体感がでて「広さ」を感じる。また、路面に近い下方のパターンに明度の低い、暗い(重い)色を用い、照明に近い上方に向かって徐々に明るい(軽い)色に変化するグラデーションを用いることで、重力を感じさせ、重心が低く安定し、上方が軽く開放的な空間性を得る。

2006年度グッドデザイン特別賞インタラクションデザイン賞受賞。

 

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