はらぺこくん / Furniture for Babies / Design Tide 2005
「はじめてのソファ」 ‘First Sofa’
お母さんの柔らかな腕を離れ、初めて独りで「座る」。未だ二足歩行する前の人間。
未だ家具以前の進化中の椅子。

生後
4ヶ月、横たえたままの身体を左右にねじって寝返りする。
5ヶ月、四つ這い姿勢で移動のためのエネルギーを蓄える。
6ヶ月、上半身を起きあがらせ、おぼつかない重心で初めて座る。
9ヶ月、二足で直立歩行する人類として、つかまりながらも立ち上がる。
12ヶ月、最初の一歩を踏み出す。
生まれてから1年の間に乳児は様々なことを経験・学習し、様々な運動能力を身につけていくはらぺこくんはめざましい発育過程にある乳児の重心の定まらない腰や背中を優しく包み込み支え、新しい動作への好奇心を受け止める。乳児の成長にともなって、はらぺこくんの円弧型アームの形態は、身体に寄り添いながら次のステップへと用途も少しずつ変化していくことが意図されている。 
はらぺこくんはまた、その形態特質、すなわち柔らかい質感、姿勢を規制しない自由さから大人のための床置きやベッド、ソファの上で使うリラクゼーションソファにも相応しい。

はらぺこくん専用サイト
photo: Alessio Guarino