from 1995 to 2000
新型遮音壁開発プロジェクト / fence design / 日本道路公団
これまで国内の高速道路では、1976年に騒音の低減対策としてルーバー状のアルミ製吸音型遮音壁が開発されて以来一般に用いられてきた。しかし、道路空間の景観向上や多様化した環境問題に対する配慮が一層求められている昨今の状況から、音響性能やコストに優れた低環境負荷型技術を導入し、高速道路の視環境に適合する新しい遮音壁デザインの開発を行った。
アルミ繊維吸音材を表面材とする新しい吸音素材を使用し、薄さと柔軟性を活かして、短冊状の吸音材を編み込むように立体的に並べた、今までにないリズミカルで柔らかな表情のデザインである。短冊状の吸音材を水平方向に連続させることにより、ドライバーの視線誘導とスムーズな走光性を目指した。また、アルミ吸音材を立体的に編み込むことにより、奥行き感をもたせ、壁に囲われた走行空間の圧迫感や閉塞感を軽減している。現在、高速道路に設置し、景観性と音響性能の試験施行中である。