碓氷バイパス オプティカルドットシステム/ sequence design / 国土交通省 高崎河川国道事務所

‖Optaical Dot System 開発の経緯‖
走行中のドライバーは、視線の先から後方へ流れていく風景を体感することで安全に走行するための要件、先の道路線形の変化や走行速度などを感知しつつ運転しています。この、走行するにつれ連続的に変化する視界をデザインしガイドすることで、ドライバーに負担をかけることなく安全運転へと誘導するのが“シークエンスデザイン"(登録第5281648号商標)です。2007年世界で初めてシークエンスデザインによる速度制御の有効性を確認し、2008年2月、首都高速道路本線区間に採用したのが首都高 “オプティカルドットシステム(ODS)”です。
路面上に並べるドット状のパターン配置を道路条件に応じて工夫し、ドライバーに視界の流れの中で「速度が速くなっている」もしくは「速度が遅くなっている」と感じさせ、ドライバー自ら走行速度の抑制や加速をしやすくアシストする路面マーキングデザインです。



‖国道18号碓氷バイパス‖
2015年、国道18号碓氷バイパスの群馬側の上り勾配の峠道では、S字カーブが連続し見通しが悪いため、速度超過の大型車が曲がりきれず、事故が多発していました。現場を管轄する高崎河川国道事務所(国交省関東地方整備局)では、交通事故防止対策として上り坂での注意喚起には限界があるとし、それに代わる新規対策として、見通しの悪いカーブの線形をドライバーにいち早く感知させ、先の線形に応じた適切な走行速度へと制御する目的で2018年8月、ODSが採用されました。
計画にあたり、大型車ドライバーへのヒヤリングや大学の研究機関の実験室での被験者実験を行い、そこで得た知見を配置設計に反映させました。

 

photo, movie: toshiki doi